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労働基準法改正案について

2017年3月12日

 現在、国会審議が継続している労働基準法改正案については、昨年、中小企業への影響が大きい改正部分についてお伝え致しました。

 現在審議中の労働基準法改正案の概要について
 http://www.actus.co.jp/library/knowledge/594.html

 今回は、改正法案の目的の一つである「多様で柔軟な働き方の実現」に向けてどのような改正が予定されているかについて解説してまいります。

1. フレックスタイム制の清算期間の見直し

 現行法では清算期間の上限は1ヶ月に設定されていますが、より柔軟でメリハリをつけた働き方を可能とするために、清算期間の上限について3ヶ月への延長が検討されています。清算期間を1ヶ月を超えて3ヶ月までに延長する場合は、新たに労使協定の労働基準監督署への届出が必要になりますが、3ヶ月の中で労働時間の調整を図ることが出来るようになります。

2.企画業務型裁量労働制の見直し

 現行法の対象業務は「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」と限定的でしたが、改正により適用範囲が拡大され「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」が追加される予定です。詳細は法案成立後に省令等で明らかになると思われますが、対象業務の追加により、労働者が主体性をもって働けるような裁量労働制本来の趣旨に即した活用が望まれます。

3.高度プロフェッショナル制度の創設

 一定の年収要件(1075万円以上を予定)を満たし、職務範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者について、本人同意を得た上で労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定が適用除外される新たな制度になります。この制度のポイントは従来の制度では除外されていなかった「深夜」の割増賃金も適用除外となる点といえます。なお、同制度を適用する場合、割増賃金支払いの基礎としての労働時間の把握は不要ですが、健康確保の観点から「事業場内に所在していた時間」及び「事業場外で業務に従事していた場合における労働時間」を健康管理時間として把握することが求められます。

 この制度の活用で、時間ではなく成果に応じて評価されることにより、残業した労働者の方が結果的に高賃金である、といった、従来存在していた不公平感が解消されることが期待されます。

 今回紹介した改正労働基準法案は、2017年中に成立する見込みが非常に高いため、今後の審議の動向に注目していきましょう。



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